MetaTrader/cTrader 為替取引の仕組み
ブログ更新をご無沙汰していましたので、FX取引プラットフォーム『cTrader』に焦点をあてて記事を少しづつ書いてみたいと思います。
『cTrader』は、イギリスに拠点を持つSpotware社が開発したプラットフォームです。C#ベースで自動売買取引も可能な大変優秀なツールです。国内のFXブローカーではまだ採用されていませんが、日本在住の人が取引できる海外FXブローカー Axiory、TradeView、FxProで利用することができます。国内で普及しているMT4/5とほぼ同じ機能を有しています。
今回は、MT4/5とcTraderの「為替取引の仕組み」についてまとめてみます。外国為替証拠金取引(FX)といっても、一般の人は、「店頭取引」とか「相対取引」程度しか知らされてなく、インターバンク市場とどのように係わっているのか詳しく書かれた書物は見当たらないと思います。そこに外国為替証拠金取引の落とし穴があるのです。これからFXを始めようと思う人は為替取引の仕組みについても理解しておく必要があります。
MT4/5 為替取引の仕組み
MT4/5トレーダーは、まずFXブローカーを経由して取引するることになります。FXブローカーによって為替ディーラーのいるDDブローカーだったり、手数料だけ差引いて次のPrime of Prime (PoP) Aggregatorに注文を引き渡すNDDブローカーだったりします。
Prime of Prime (PoP) Aggregatorについて語られることはあまりありませんが、Tier1 プライムブローカー(大手グローバル証券)の資格を有し、為替ブローカーに信用枠を与えて多くの為替ブローカーにサービスを提供している業者です。PoP業者は、為替ブローカーの胴元と考えれば分かり安いと思います。
MT4/5の場合、Bridge(Plug-In)を経由してPoP業者に取引情報が全て集約されることになります。そこから、LPやECNに注文を流すこともありますが、PoP業者がマーケットメイカーである場合、注文を吞んだり別の為替業者に注文を流したりすることも可能になります。
cTrader 為替取引の仕組み
仲介業者による複雑なFXの為替取引を避けて、インターバンク市場と直接取引できるDMA方式を提唱してFXプラットフォームを立ち上げたのがイギリスに拠点を持つSpotware社の「cTrader」です。為替ブローカーの胴元であったPoP業者をインターバンク市場まで押し戻して、Spotware社管轄のcServerにすべての取引情報を集約して、LPやECNと直接取引できるようになりました。
cTraderもまだ発展途上で、MT4/5プラットフォームと比較して一長一短もあり利用者の好みにもよりますが、外国為替取引の仕組みから考えるとcTraderの方が彼らが提唱する"Traders First"のビジネスモデルに叶っているといえます。
【cTraderの特徴】
(1) DMAレベル2板情報:市場と直接取引
(2) cServerがベストマッチ注文:為替ブローカーの胴元がいない!
(3) cBrokerはNDD:為替ブローカーの介入は限定的
(4) FIXベースのインターバンクHFT取引:ヘッジファンドと対等
(5) マーケットメイカーに取引情報が漏れない