cTrader/cBotの開発部屋

Mr. Robo Traderの開発ブログ


為替取引の『東京仲値アノマリー』は存在するか?

東京仲値トレード

仲値(対顧客電信仲値相場:TTM)とは、東京外国為替市場において午前9時55分に発表される米ドル/円のレートです。このレートは、金融機関が顧客と外国為替取引を行う際の基準レートとして使われる。東京仲値トレードは、この仲値に向けた米ドル/円の値動きに着目したトレード手法です。

そこで、早朝にUSDJPYの買い仕掛けを行い、仲値時間付近で決済をする東京仲値トレードcBotを製作して、2018年1月から2023年10月まで期間5年10ヵ月間、cTraderのリアルティック・バックテストを行ってみた。

その結果、2019年から2022年6月頃までは確かに右肩上がりの収益曲線が得られた。ちょうどFX界隈で東京仲値トレードが話題になった時期である。しかし、FX取引は投資家とFX業者は利益相反の関係にある。投資家の利益をFX業者が黙って見ているはずがない。2022年6月以降、見事に「東京仲値アノマリー神話」は崩壊しているのが分かります。

東京仲値トレード:2018.01.01-2023.10.02

東京仲値トレード(ゴトー日のみ)

では、企業の決済が集中すると言われているゴトー日(5や10が付く日)はどうか?この日は、大口企業の決済が集中するためドル買い円売りの注文が多いと言われている。

東京仲値トレードもゴトー日に限ると、バックテストの性能パラメータは、PF 2.23、MaxDD 1.63%、RF 16.36、Win 67.32% となる。右肩上がりの収益曲線となり、ゴトー日の「東京仲値アノマリー神話」は今でも生きていると言えそうです。
FX取引は、FX業者と投資家の相対取引ですが、FX業者もインターバンク市場の実需買いには逆らえないということでしょうか?しかし、ゴトー日の営業時間と言えば、月に3、4回程度の取引です。取引回数が大幅に減少してしまう問題があります。

東京仲値トレード(ゴトー日のみ):2018.01.01-2023.10.02

東京仲値トレード(ゴトー日+金曜日)

そこで、ゴトー日に週末の金曜日を加えて取引を行った場合はどうなるのか?これについても調べてみました。

取引回数はゴトー日のみの202回に比べて、ゴトー日+金曜日は426回と2倍以上増加し、収益率も27.33%から41.6%に増加しています。しかしながら、毎日の取引で「東京仲値アノマリー神話」が崩壊した2022年6月以降、収益率のドローダウン変動も激しくなっているのが分かります。東京仲値トレードの金曜取引は、FX業者にも狙われやすいということが分かります。

東京仲値トレード(ゴトー日+金曜日):2018.01.01-2023.10.02