cTrader/cBotの開発部屋

Mr. Robo Traderの開発ブログ


ブルベア型自家製『レバナス』自動売買取引ボット

最近はウクライナ戦争の地政学的リスクもあり、為替相場の動きが不安定になってきたので、より流動性が高く(相場操縦が難しい)、マクロ経済にも正直な動きをする米国株価指数に注目してみましょう。

レバナス(レバレッジNASDAQ100)とは

レバナスは米国のレバレッジ投資信託ETFのひとつです。当然、レバレッジを掛けると上昇局面では大きな利益を生みだす反面、下落相場やもみ合い相場では大きな損失となるリスクの高い金融商品です。

投資信託
・米国ETFの「TQQQ(NASDAQ100の3倍の値動き)」など
・大和アセットマネジメントの「iFreeレバレッジ NASDAQ100(NASDAQ100の2倍の値動き)」(大和レバナス)
楽天証券の「楽天レバレッジNASDAQ-100」(楽天レバナス)
NY株が右肩上がりの頃は、証券会社も最も利益の上がる金融商品として売り出したものの、今のような地政学的にも不安定な株式市場では大きな損失を被るハイリスクの金融商品となっている。金融庁もNISAの対象外にしたようです。


米国株価指数の留意点

もっと安全なブルベア型自家製「レバナス」スキャルピング・ボットが作れないか?
cTraderは、米国株価指数も普通に取引できます。cBotを使えば、自動売買取引も可能になります。
米国株価指数のcBotを作る際、FX通貨ペアのロットサイズや、ピップサイズと大きく異なり、しかもFX業者ごとに変数が異なるため汎用ボットの普及は難しくなり、プログラムも難しくなります。


ここでは、cTraderの使える海外FX業者「Axiory」を使ってcBotプログラムを組んでみます。
AxioryのNSDQ指数は、レバレッジが100倍、スプレッドが2.1ピップス、業界としては決して有利とは言えませんが、海外FX業者の数字は客寄せ目的が多く数字はあまり信用しなくて良いですw要するに安定して利益を出せる業者が良い業者です。


レバレッジが100倍と聞いて驚く人もいるかもしれませんが、これは大きな間違いです。ロット数さえ減らせば、レバレッジ1倍であろうと、それ以下であろうと作れるのです。むしろ、国内業者の方が、投資家保護といいながら低レバにして、強制ロスカットをより頻繁に行い、さらに業者が損した場合は追証まで一般投資家に押し付けて暴利を貪っている状態で極めて悪質なのです。金融庁や証券取引委はまったく機能していません。


要するに、安全な自動売買取引を実施するためには、業者のレバレッジではなく、ロット数を正確にコントロールして資産のリスク管理をすることが重要となります。そのためには、為替通貨ペアとは異なり、FX業者によっても異なる、米国株価指数のロットサイズやピップサイズを正確に知る必要があるのです。

NSDQのロットサイズ、ピップサイズ、ティックサイズ
為替通貨ペアのロットサイズは、通貨ペア共通で海外FXの場合10万通貨です。
ティックサイズは、決済通貨によって異なり、クロス円の場合0.001(小数点以下3桁)、ドルストレートの場合0.00001(小数点以下5桁)、ピップサイズは通常10倍となります。


それでは、NSDQ指数のロットサイズ、ピップサイズ、ピップバリュー、ティックサイズ、ティックバリューについて調べてみます。
NSDQ指数のロットサイズ、ピップサイズは、為替通貨とは大きく異なっているのが分かります。特にNSDQ指数のロットサイズは20 Indicesと中途半端な値になるため、ロット数の資産リスク管理では注意する必要があります。もうひとつ、MT4に使い慣れている人はティックサイズに慣れていますが、cTraderではティックバリューが"1"だったこともあり、ピップサイズやピップバリューを使った方が無難です。

Code

double lotSize = Symbol.LotSize;
double pipSize = Symbol.PipSize;
double pipValue = Symbol.PipValue;
double tickSize = Symbol.TickSize;
double tickValue = Symbol.TickValue;

Print("LotSize={0}, PipSize={1}, PipValue={2}, TickSize={3}, TickValue={4}", lotSize, pipSize, pipValue, tickSize, tickValue);

ログ出力

LotSize=20, PipSize=1, PipValue=136.611, TickSize=0.1, TickValue=13.6611



ブルベア型自家製「レバナス」スキャルピング・ボットの開発

米国株価指数の資産管理が行えるようになったら、次は、ストラテジー・ロジックの開発です。
まず、上げ相場でも下げ相場でも利益を出すためには、トレンドフォロー型で買いと売りができること。安全と健康のためには宵越しの含み損は抱え無いこと。待つのは苦手、1日に数回は取引したい。年利100%、月利10%、DD10%以下を目指したい。などなど。


細かいフィルターやロット調整等は割愛しますが、大まかで大胆な新規注文・決済方法
・新規注文:Hull MA(10)移動平均1本だけ使う(スキャルピングはインジが少ない方がいい)
・決済注文:ATR(14)係数で決済注文する(Pipsに惑わされない)
・閉場:日計りクローズ(含み損ゼロ、マイナススワップゼロ)



ブルベア型自家製「レバナス」スキャルピング・ボットのバックテスト結果
年利:85.74%、PF:1.21、最大DD:11.80%、勝率:52.72%
1日当たり取引回数:約4.67回
100点満点とは行きませんが、レバナスのスキャルピング投資信託より利回りがよく、さらに安全設計なら良いでしょう。

ブルベア型レバナス・スキャルピングcBot