cTrader/cBotの開発部屋

Mr. Robo Traderの開発ブログ


米国株価指数先物 裁定取引ボットの開発

ナスダック・ダウ株価指数先物 裁定取引(鞘取り)

相場が右肩上がりのときは、株や商品を買って保持しておくだけで資産は増えますが、相場が下落相場になったり乱高下すると資産は逆に減ってしまいます。
 
相場が上がっても下がっても利益を出すためには、相場に応じて買ったり売ったりしなければなりませんが、最近の株価や為替相場ビッグデータAIを活用したアルゴリズムを使って相場が動いていますのでなかなか儲けさせてくれません。Bloombergの記事によると、最近5年間で閉鎖されたヘッジファンドの本数は3,550本に及ぶと言われています。投資家に恐れられていた『ヘッジファンド神話』も、最近は儲かっていないということです。
 
すでに古典的テクニカル指標と言われる「移動平均」や「MACD」や「ボリンジャーバンド」等では、最近のHFT(高速高頻度取引)AIアルゴリズム相場ではまったく歯が立ちません。AIと言えば最近は無知の象徴のように聞こえますので(笑)、相場を動かしてるAIは、多くの投資家の取引情報を収集して、もっとも利益があがる相場形成方法を最適化計算している近似計算手法と申しておきます。cTraderやMT4/5の最適化近似計算とほぼ同じですね。
 
高度に情報技術化された現代の市場取引で生き残るためには、単純にEAを使って自動売買取引するような、従来の取引方法では難しくなってきました。そこで、相場を動かしているマーケットメイク業者が自由に相場を動かすことが困難な取引方法を考える必要があります。
 
ニューヨーク株式市場の株価指数先物は、もっとも流動性が高く、欧米の取引時間中は市場参加者も大変多くマーケットメイカーだけで相場を動かすことは困難と思われます。そこで、米国株価指数先物に焦点をあてて、しかも、急な下落相場でも耐えられるように複数の株価指数も織り混ぜて裁定取引(鞘取り)を行うHFT自動売買取引ボットの開発を行ってみました。
 
NY株価指数先物として、似たような動きをする「ナスダック指数先物「ダウ指数先物を選んで、cAlgo APIを用いて裁定取引ボットを作ってみました。そのバックテスト結果を動画にしたのでリンクに貼っておきます。
 
www.dropbox.com

ウォーク・フォワード テスト結果

パラメータを使って最適化したあと、パラメータを固定したままそれ以降のバックテストを実施したものをウォーク・フォワードテストと呼びます。
 
上の最適化したバックテスト結果から数日して、「ウォーク・フォワード」テストしたものが下図です。ウォーク・フォワード以降、収益曲線が急に変化するようであれば、それは「過剰フィッティング」と呼ばれ実践では使えませんが、図を見る限り問題無さそうですね。これから、リアル・フォワードテストの実施を行います。
 


NSDQ/DOW指数先物 裁定取引 ウォーク・フォワード結果
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